Poem

気まぐれポエム定期便

【2020.9.16更新】

 

 

『失楽園』

 

物心と この身一つ

生まれるのは 涙かな

赤子のまま 泣き喚き

乳房を求め 這いつくばる

表面張力 何も映らない

風 足音 溢れる手前の空

私は 花のない花瓶

無意味に美しいだけの命

またとないあなたを

今も 待ち惚け

 


 

『人魚』

 

悪戯な笑顔で 僕を手招く

波頭 彼女を追い越して

つちふまず 濡らした

陽炎が爪弾く 水平線から

鳴り響く 渚の吐息

きっと目に見える音色

低反発な砂浜に

残る足跡の先に

スカート握りしめ歩く

おもかげひとつ

人魚の様

遠浅の視線に引き込まれて

息を忘れた

 


 

『あいびき』

 

ほどけた靴紐 結んでる

しゃがみこむ背中に 恋をした

街は寝静まり 影も無い

立ち止まって僕らは キスをする

 


 

『あうん』

 

ことばとことばのあいだ

おととおとのあいだ

ほしとほしのあいだ

こころとこころのあいだ

あくびいきつぎまばたきためいき

たいせつなよいん

すべてつたわってしまうのは

それはそれでさみしい

 


 

『ホーメーション』

 

GK 宿泊

DF フリータイム

MF 休憩

FW ショートタイム

 


 

『浸透圧』

 

意味を捨てきれず

理由を探してしまう

染み込んで

抱えきれないそれらを

吐き出す術もなく

頭で片付けようとする

出会うときにはいらなかったのに

さよならには全部使う

 


 

『多分、恋。』

 

小雨降る おやつ時 サンロード

ときどき曇り 胸はドキドキ

あまりに不慣れな僕の エスコート

優しい歩幅で ついてきて

柔らかい瞬きに 吸い込まれ

このままどこへいこうか

居心地 夢心地 恋に落ち

また逢えたら